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豆知識
スプリンクラーの
豆知識
スプリンクラーの種類
スプリンクラーにはいろいろな種類がありますが、動作、材質、飛距離(散水距離)、散水量、使用圧力、取付口径、仰角などでスプリンクラーを分類することができます。
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スプリンクラーは、回転式と非回転式に大別できます。
回転式スプリンクラーは、散水する水を駆動源として利用しています。回転方式には、水流ではねたハンマー(反動かん)がスプリンクラー本体をたたいて回るインパクト式が最も一般的です。この他に、スプリンクラー内のインペラー(羽根車)が回転し内蔵のギアが回転力を伝達するギアドライブ式(水車式とも言われます)、本体内蔵のボールが水流により駆動源となるボールドライブ方式、ジェット水流による反動力を利用した大型スプリンクラー向けのジェット反射式があります。
また地中にスプリンクラーを埋めておき、散水するときだけ水圧で上昇する機構をもつポップアップスプリンクラーがあります。
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非回転式には、ある範囲内をシャワーのようにスプレーするスプレー式スプリンクラーがあります。短距離用の小さなスプリンクラーに多い方式です。
ノズル口径
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スプリンクラーは使用できる圧力(水圧)範囲によって次の3つに分類することができます。
- 圧力0.3MPa以下で使用する低圧用スプリンクラー
- 圧力0.2~0.5MPaで使用する中圧用スプリンクラー
- ③圧力0.4~0.7MPaで使用する高圧用スプリンクラー
使用する圧力が高いと、散水距離は長くなり、散水量は多くなります。ただし、スプリンクラーごとに使用できる圧力が決まっていますので、むやみに圧力を高くすることはできません。もちろん小さくしすぎても十分な性能を発揮することができなくなります。
圧力とノズル口径には密接な関係があり、この両者の組み合わせ方で散水量や散水距離が変わってきます。ノズル口径は、スプリンクラーから飛び出る水滴の大きさや散水パターンにも影響します。大きな水滴は飛距離が出ますが、葉もの野菜など軟弱な作物を傷める恐れがあります。
また非常に高い圧力で小さな口径のノズルから微細な霧を発生するマイクロフォガーは濡れることがないのが特長で、冷却・防塵・消臭・加湿など色々な用途に使われています。
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スプリンクラーの散水距離(飛距離)は短いもので数メートルから、長いものは50m以上の飛ぶものもあります。
散水距離が長いスプリンクラーほど、大きさが大きくなります。大きな畑や、運動場、グランドなどに広範囲に散水する場合には散水距離の長いスプリンクラーを使います。
散水距離が短いものは、例えば家庭の芝生や花壇などに使われます。また広い面積に均等に散水するために、散水距離の短いものをたくさん使う方法もあります。 -
スプリンクラーの散水距離は圧力によって変わってきます。圧力を高くすると、散水距離も長くなります。また、散水距離はノズル口径によっても変わります。
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散水距離と圧力・散水パターンには密接な関係があります。推奨圧力よりも低ければ、ノズルから放射される水流が破砕されないために空中で散らずにひも状になり、水流となって先端が地面をたたくようになります。この場合、散水パターンは円輪状になり飛距離も伸びません。
圧力が高い場合には水流が細かく破砕されてミストになり、水流の先端が消失してしまいます。この場合も飛距離が短くなってしまいます。推奨圧力よりも低くてもた高くても散水距離は短くなり均等性が低下します。適正圧力の時には水流が水膜状に落ちて地面を掃くように散水し、均等性も良くなります。
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また散水距離に影響する重要なファクターに風があります。風の影響を受けると散水距離(散水分布)が変わり均等性が悪化してしまいます。スプリンクラーの適正な配置間隔は散水直径の約60%とされていますが、風の影響を考慮して配置間隔を狭くすることが必要になることがあります。
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散水距離5m程度以下のものをマイクロスプリンクラーと呼んで区別する場合もあります。
25m以上飛ぶものを大型レインガンと呼ぶ場合もあります。大型レインガンは工業用に使われる場合も多く、近年ではゴミ処理場などの粉塵対策などにも使われています。
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スプリンクラーの仰角は、スプリンクラーから出る水が水平面から何度の角度で飛び出すかを表しています。
畑や緑地への散水など一般的な用途では、仰角は23~27度のスプリンクラーが最適です。樹下に散水したい場合や屋根散水など、あまり上に飛散させたくない時には仰角を低く抑えた10度以下のスプリンクラーを選択します。石炭やゴミ処理のストックヤードで粉塵を防止するためのスプリンクラーでは登り斜面に向かって散水する場合が多く、仰角が40度以上のタイプを使います。
ノズル自体で仰角を変えることのできるスプリンクラーもあります。
取付口径